マークの配列について

配列の基本 

「周辺のいくつかの交差点のうちから、一つを見分ける」ためのマークを、既存の主要地点標識114-2Aおよび2B(通称:交差点名標識)と併記するシステムを提案しています。

提案


主要な交差点に、道案内のための目印として「マーク」を表示する事が我々の提案です。

他案との比較検証へ 

全国7万の主要な各交差点のマークが「分かりやすい目印」であるためには、全てを異なるマークにすることでは実現困難であり、少ない種類のマークをうまく用いる必要があり、配列ロジックが重要となります。

隣り合う交差点、近い交差点同士が異なるマークであればよい、遠くには同じマークがあってもよい、これが配列の基本概念です。

研究グループでは、同マークの重複が道案内時に問題とならないような配列ロジックを研究し、実際の配列時には自動配列プログラムによって最適なマークを配列する事を想定しています。

 

四色の定理とは

世界地図等で、隣国同士同じ色に塗ったら国境線が分かりにくくなります。その地図を塗り分ける必要最小の色数は4色である、というのが「4色の定理」です。証明は非常に難しいのですが、どんな複雑な国境線を持つ地図でもそれは変わりません。

これは「隣の国は同じ色にしない=隣りあう交差点は異なるマークにする」と同義といえます。

 

この地図で、隣り合う国の首都同士を全て道路で結び、その各首都を交差点と置き換えてみると理解しやすいでしょう。

 

これで隣り合う首都=隣り合う交差点同士は全て同じ色にならない、という事になります。

 

いくつ隣に同じマークが来るかを、n=と定義します。すると4色の定理は「n=2の場合、最低必要種類数は4以下である」という意味になります。


条件 空間 任意形状
n= 2
結果
マークの最低必要種類数 常に4以下
直線上でのn= 2


しかしこの場合、道路を通行した際に一つおきに同じ交差点が現れる可能性があり、誘導の際には不都合です。

 

定理の応用 n=3以上の場合

n=3、つまりどの交差点から見ても二つ隣りまで同じ目印にしないというルールでは、4色とは限りません。

n=3以上では、展開するネットワークの複雑さによって必要な色数は決まります。複雑さとは、最大何叉路(差路)の交差点があるかという意味になります。 


条件 空間 9叉路交差点があるネットワーク
n= 3
結果
マークの最低必要種類数 10
直線上でのn= 3

図は9叉路の交差点を描いており、n=3を実現するにはすでに10種類のマークが必要となる事が分かります。
 
参考)日本国内では8叉路の交差点が最多叉路
 
n=3とグリッド状ネットワークとの関係
n=3をグリッド状のネットワークに展開した場合、最低必要種類数は5です。隣の隣まで同じ記号はなく、さらに直線上では5回に1回同じ記号が現れます。

条件 空間 グリッド状でサイズは無限大
n= 3
結果
マークの最低必要種類数 5
直線上でのn= 5
グリッドネットワークでの25記号でのn 
25種類のマークでは、n=7を実現している事が分かります。


条件 空間 グリッド状でサイズは無限大
n= 7
結果
マークの最低必要種類数 25
直線上でのn= 25

参考)記号が「アルファベット1文字」である場合、26が最大種類数です。その場合グリッド的な道路地域であれば、n=7が実現できるものと想像できます。
直線上ではn=25、ジグザグ上でn=7で配列をおこなった場合にどのような問題が起きる可能性があるか、検討を進めています。
 

他案との比較検証

交差点に置かれる目印として何がもっともふさわしいのか、我々は様々な案について検討しました。それらの案についてこちらでご紹介します。

 

こちらのPDFからデータ移行予定です。

 

1順列配列との比較検証

1−1順列配列案(A)

国道をN、県道をK、市道をSとし、起点から順列で数字を振っていく(N-1,N-2,N-3,N-4,,,) 

 

1−2順列配列案(B)

各道路起点からAから順に振っていく(A,B,C,D,,,) 

 

1−3重複を許さない配列

国道をN、県道をK、市道をSとし、道路番号をふり、次に起点から順列で数字を振っていく(N32-1, N32-2, N32-3, N32-4,,,) 

例:建設コンサルタンツ協会・九州支部「まちづくりに関する提案の募集」第3回

「交差点の番号化」

http://www.jcca.or.jp/kyokai/kyushu/image/machi/vol3/c_1.pdf

 

 

2通り名方式との比較検証

各通りに、新たに通り名を振る。 

 

3交差点名、またはそれを短縮する案との比較検証

 

4アルファベット以外のマーク案との比較

4−1数字1桁案

 

4−2数字2桁案

 

4−3ひらがな案

 

4−4図形案

 

4−5色案

 

 

 

 

同マークの重複が問題となる場合について

同マークの重複が問題となる場合についての考察と、それを回避するための考え方を、こちらで説明します。

 

同マーク重複の定義 

研究グループでは、同マークの重複について以下の3パターンを定義しています。そのそれぞれについて可能な限り重複を避けながら、マークの配列はおこなわれます。

 

1、道のりでの重複

ジグザグ移動した場合にもっとも近くなる同マーク

 

2、直線上での重複

一路線上でもっとも近くなる同マーク

 

3、基点交差点同士での重複 

基幹路線同士の交差となる交差点同士で、もっとも近くなる同マーク

  

同マーク重複の想定 

1、道のりでの重複については、一般的な道路ネットワークではn=6を実現できると考えています。 

 

2、直線上での重複については、n=15以上となるよう配列することで、直線距離として最低5km以上、一般的には10km以上(交差点密度によって異なる)を実現できると考えています。

 

3、基点交差点同士での重複は、交通の略図などを作成した場合に問題になるものです。これは配列時に可能な限り排除することで、問題はおこらないと考えています。

 

同マーク重複の問題

1、道のりでの重複については、n=6ということで「道のり2km〜3km、別のマークの交差点を5つ右左折していくと同マークが現れる可能性がある」という意味になります。

カーナビの経路誘導、108標識の案内、ではこの重複が問題となることはありません。 

ドライバーがこの両交差点を取り違える可能性はあります。互いの交差点名が異なる(例:西船橋駅前Sと新堀川北川Sなど)ことで、この取り違えが少なくなる事が期待されます。

 

2、直線上での重複は、直線距離として最低5km以上、一般的には10km以上となり、ナビ、案内標識での問題はありません。しかし地図を覚えて運転する際に、長い直線後のSを曲がるときにはその(5〜10km)手前にもSがある可能性はあります。

ですので「2つ目のSを右」や「三叉路のS」など、覚え方の工夫が必要な場合があります。またこれは交差点を「コンビニなどのランドマーク」で覚える際の動作と同じものであることから、ユーザの理解も得やすいと考えています。

 

3、基点交差点同士での重複も、2と同様の配慮が必要です。

 

 

 

 

国内への配列シミュレーション

国内の複雑な道路ネットワークへの配列をシミュレーションすることで、同マークの重複について検証します。配列は自動配列プログラム(プロトタイプ)によっておこないます。

 

1交差点からの分岐数が多い道路ネットワークへの配列 

菅原橋周辺は、1交差点からの分岐数が国内でもっとも多い場所として知られています。つまりこの地域での配列が、同マークの重複にとってもっとも厳しい条件となると考えられます。
この地域の38の主要な交差点(交差点名のある規模の交差点)にたいし配列をおこないます。

<配列結果>

※図中の数字は交差点に振った任意番号
記号赤色は「交差点名に関連する1文字」のもの。交差点に優先順位をもうけ、国道、主要道つまり「右左折車両の多い交差点」では特に交差点名に関連させたものを多く配する事ができています。ほとんどの交差点で交差点数n=5以上、距離は1.6~3.4kmが確保できるが、1カ所のみ、最短道のり=交差点数n=4が残ってしまいます。(交差点T=距離2.2km)
ちなみにそのT交差点であっても、同じ町内ではなく、徒歩30分以上離れているので、実用上大きな問題が起こるようには見えまぜん。

また、このような8叉路の交差点は国内で数カ所しかなく、一般的に交差点は3〜4叉路で構成される事から、この結果がもっとも同マークが近づく限界に近いものと想像できます。

 

交差点の密度が高い道路ネットワークへの配列 

神田駅周辺は国内でも交差点密度が高い地域とされています。ここでの配列が、交差点同士の距離がもっとも近くなる例と予想されるので、この地域で配列シミュレーションをおこないます。
展開範囲内の、交差点名のある=主要な38の交差点に配列します。

<配列結果>

最短道のりを、交差点数n=5、距離2kmは確保できています。 
○均等な距離で同マークが使われている(2~3km) 
○均等な交差点数で同マークが使われている(n=5~6交差点) 
○重要な交差点では「交差点名に関連する1文字」である(全体の1/3くらい) 
×直線上に同マークがある
 
プログラムがプロトタイプである事で、直線上の重複を避けるようにプログラムされてなく、直線上に同記号が現れていますが、これは今後プログラムに組み込み、同マークが重複する際も可能な限り直線上は避けるようにしていく予定です。

配列結果から考えて、国内の最も交差点密度が高い地域でも2kmくらいの距離を確保でき、交差点密度が下がれば当然もっと距離を確保できると想像できます。 

 

既存の交差点名とマークの関係

交差点名とマーク1文字の関係 

どの交差点にどのマーク(1文字)を置くか、をここでは「配列」と定義します。

配列は、同じマーク同士を遠くになるようにランダムに配列する事でも問題はありませんが、可能な範囲で既存の交差点名に関連する1文字(頭文字など)からとる事を想定しています。それによって、地元の方等に地元の交差点のマークを覚えやすくし、口頭での道案内に役立てるという効果があります。

ただし、隣り合う交差点名は、地名等からとるため互いに似通っている場合が多く、そういった時には互いを別の文字とする必要があります。

 

配列プログラムは、交差点の重要度から優先度を判断し、どの1文字とするかを決定していきます。

 

例えば菅原橋への配列シミュレーション結果をみると、その多くが交差点名の1文字からとられている事が分かります。それ以外の文字となった交差点は、重要度の低い交差点となっている事も分かります。 

 

 

・多くの交差点(特に国道など主要道上)では、そこの既存交差点名に関連する頭文字など1文字とする事ができている。

 

・かつ同じ文字(マーク)は互いに遠くに置く事ができている。 

  

・既存の交差点名に関連しない1文字のところは7交差点であり、その多くも重要度の高くない交差点である。

 

・交差点名のなかった主要な交差点にも1文字づつ割り振る事ができている。

 

 

また、既存の交差点名からとるのではなく、特定の道路に、ABCD〜と順列に振っていく事も場合によっては可能です。

その場合、その道路に交差する道路では順列とはならないのと、順列中に交差点が追加されると順列でなくなり混乱する、などの可能性が考えられます。

ですので、特定の道路を順列とする事は、例えば海岸線のシンボル的な道路ではABCD〜と順列に振っていき、それに交差する、それ以外の道路では先の基本ルールとする、といった使い方がよいと考えています。

 

 

※菅原橋周辺の交差点名は、地図を参考に作成したものであり、実際の交差点名(特に英文字部分)とは異なる場合があります。

 

 

 

 

 

高知への配列実例

高知県では「ココ!マーク高知」という名称で、交差点マークを実地展開し、その効果を検証する実験を実施しています。

高知では、27交差点にアルファベット1文字を配しており、6つの交差点で、アルファベットが重複しています。その事による混乱の有無を、実験やアンケート調査によって確認しています。